to mock a mockingbirdを読む(10)9章

Identity bird(Iコンビネータ)

鳥Iは次の条件を満たすときIdentity bird(Iコンビネータのこと)と呼ばれる

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各鳥xについて
Ix = x

Iはそのまま与えられた鳥を返すだけなので
過去には思慮の無い鳥類学者からはidiot bird(バカな鳥)と呼ばれたこともある。
Identity birdはその特徴から、どんな鳥xも好きである。
また、I自体も好きなのでIdentity birdは自己中心的(egocentric)でもある。

Problem 20

森にはIdentity birdがいるとし、Iがagreeableであるとする。
各鳥は少なくとも一つの鳥を好きであると言えるか
注:以前の条件C1,C2はもはや必要ない

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任意のBについて
Ix = Bx
Iの性質よりBx = x
よって任意の鳥Bはxが好き

Problem 21

森にIdentity birdがいて、各鳥は少なくとも1つの鳥がすきだとする。
この時、Iはagreeableだといえるか

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各鳥Bはある鳥xが好きなので
Bx = x
よって
Bx = Ix
が成り立つのでIはagreeableである

Problem 22

森にはIdentity birdがいるとし、Iがagreeableであるかはわからないものとする。
しかし、各鳥のペアはcompatibleだとする。
次の2つのうちどちらが導き出されるか
 1.各鳥はnormal,つまり少なくとも1つの鳥が好き
 2.Iはagreeable

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IとBがcompatibleだとすると
Ix = yかつBx=y
Ix = yよりx=y
よってBx=xとなりBはxが好き

また、この結論とProblem21よりIはagreeable

Problem 23

Identity birdは自己中心的(egocentric)だが
絶望的に自己中心的(hopelessly egocentric)ではない。
もしIが絶望的に自己中心的であるとすると
状況はとても悲しいものになるがそれはなぜか

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Iの性質よりIx = x
Iが絶望的に自己中心的であるとすると
Ix = I
よってx=Iとなり、この森にはIしかいないことになる